SHARE:

日産 フェアレディZ RZ34|それは不死鳥。

フェアレディZという名前には、長い歴史があります。

時代が変わり、求められるスポーツカーの姿が変化しても、「走ることを楽しむ」というZの根っこは変わりません。2022年に登場したRZ34型フェアレディZは、歴代モデルが築き上げてきたスタイルや哲学を受け継ぎながら、新しい時代へ踏み出した一台です。

ロングノーズを思わせる伸びやかなシルエット、力強いV6ツインターボ、ドライバーを中心に組み立てられたコクピット。どこか懐かしさを感じさせながら、しっかりと現代のスポーツカーに仕上げられています。

今回の「造形浪漫帖」では、2022年式 日産 フェアレディZ RZ34 バージョンSTを、デザイン、インテリア、走り、そして2022年という時代背景とともに見ていきます。

ダンスパートナーのように、走る時間を楽しむ

RZ34のフェアレディZを眺めていると、単純な速さだけを追い求めたクルマではないことが伝わってきます。

低く構えたボディと長く伸びるフロントノーズ、コンパクトにまとめられたキャビン。スポーツカーらしい基本的なプロポーションを守りながら、歴代Zを思わせる要素が随所に取り入れられています。

「ダンスパートナー」という言葉が似合うのは、ドライバーとクルマが一緒になって走る感覚を大切にしているからでしょう。

目的地へ着くためだけではなく、そこへ向かう時間そのものを楽しむ。そんなZらしい世界観が、RZ34にも息づいています。

歴代Zの面影を現代へつないだエクステリア

RZ34の外観は、派手な造形に頼らず、シンプルで伸びやかなラインによってスポーツカーらしさを表現しています。

真正面から見ると、低くワイドに構えたフロントフェイスが印象的。サイドへ回れば、長いノーズからルーフ、そしてリアへとなだらかにつながる美しいシルエットがよく分かります。

後ろ姿もフェアレディZらしい見どころのひとつです。横方向を強調したリアデザインによってボディのワイド感が際立ち、低い車高と組み合わさることで、どっしりとした安定感を生み出しています。

見る角度によって表情が変わり、それでいて一目でスポーツカーだと分かる。新しさと歴代Zへの敬意をうまく両立させたデザインです。

ドライバーを包み込む、走るためのコクピット

車内へ乗り込むと、RZ34がドライバーを中心に考えられたスポーツカーであることが、よりはっきりと伝わってきます。

運転席を包み込むように配置されたインパネやセンターコンソール。そして、ダッシュボード中央上部に並ぶ3連メーターは、フェアレディZらしさを象徴するポイントです。

赤と黒を組み合わせたバージョンSTのインテリアは、スポーティでありながら華美になりすぎず、大人のスポーツカーらしい雰囲気を演出しています。

視認性を重視したメーターパネルも現代的です。必要な情報をドライバーの正面へ集約することで、走行中でも状況を把握しやすいレイアウトになっています。

ただ座っているだけでも、「早く走らせたい」と思わせる。そんな気分を盛り上げてくれる空間です。

V6ツインターボが生み出す、力強い加速

RZ34の心臓部には、3.0L V6ツインターボエンジンが搭載されています。

アクセルを踏み込んだ瞬間から感じられる力強さと、速度を重ねていくときの伸びやかな加速感。それは、フェアレディZが単なるスタイル重視のスポーツカーではないことを物語っています。

そして、エンジンの力を受け止める足まわりも重要なポイント。低く構えられたボディ、ワイドなタイヤ、存在感のあるブレーキが組み合わさり、スポーツカーらしい走りを支えています。

直線だけではなく、曲がる、止まる、そして再び加速する。

そうした一連の動きを楽しむことこそ、フェアレディZの醍醐味です。

新しさの中に残された「Zらしさ」

RZ34を細かく見ていくと、歴代フェアレディZを思わせるデザインが随所に見つかります。

シンプルながら力強いフロントマスク、横方向に広がる印象的なリアビュー。そして黒いルーフが生み出す、低く流れるようなワンモーションのシルエット。

過去のデザインをそのまま再現したのではなく、歴代Zのエッセンスを現代的に解釈しているところがRZ34の面白さです。

さらに運転席へ座れば、外観とはまた違った魅力が待っています。

スポーツカーらしい緊張感を持ちながらも、どこか落ち着ける。長く付き合うほど、その良さを発見できそうな一台です。

2022年の日本とフェアレディZ

2022年、日本の日常にはスマートフォンやSNSがすっかり溶け込み、キャッシュレス決済もごく身近な存在になっていました。

一方で、キャンプをはじめとしたアウトドア人気や、昔ながらの喫茶店・ファッション・音楽など、少し懐かしさを感じるものが改めて注目された時代でもあります。

新しいものだけを追いかけるのではなく、昔から好きだったものを現代の感覚でもう一度楽しむ。

そうした2022年の空気感は、どこかRZ34にも重なります。

最新の技術や性能を持ちながら、歴代フェアレディZのスタイルや思想を大切にする。新しさと懐かしさが自然に共存していた時代だからこそ、このZの存在感がより際立って見えます。

アメリカでも愛され続ける「Z」

フェアレディZを語るうえで、アメリカとの関係は欠かせません。

広大な道路、乾いた大地、海沿いの街並み。さまざまな景色の中を走るスポーツカー文化が根付くアメリカでも、Zは長年親しまれてきました。

RZ34の低くワイドなスタイルは、都市の風景だけでなく、果てしなく続くハイウェイにもよく似合います。

国や文化が違っていても、クルマを運転する楽しさそのものに大きな違いはありません。

フェアレディZが世代を超えて世界中のファンに愛されてきた理由も、そこにあるのでしょう。

それは不死鳥――フェアレディZは、また走り続ける

長い歴史の中で、フェアレディZは何度も姿を変えてきました。

しかしRZ34を見ていると、その中心にあるものは変わっていないように感じます。美しいスポーツカーであること。ドライバーが操る楽しさを持っていること。そして、見ているだけでも心を動かす存在であること。

2022年式 日産 フェアレディZ RZ34は、過去を懐かしむためだけのクルマではありません。

歴代Zが積み重ねてきた物語を受け継ぎ、それを次の時代へつなげるために生まれたフェアレディZです。

それは不死鳥。

時代が変わっても、Zの物語は終わらない。
走る歓びとともに、フェアレディZはこれからも走り続けていきます。

あなたへのおすすめ