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ホンダ プレリュード 6代目(2025–)|24年ぶりの復活。電動化時代に戻ったスペシャリティクーペ【第6章】

2025年に復活した6代目ホンダ・プレリュード 第6章

プレリュードという名前が、もう一度Hondaのラインアップに戻ってきました。

5代目の生産終了から24年。2025年9月5日、6代目となる新しいPRELUDEが発売されました。Honda自身がこのクルマを、電動化時代の新しい「スペシャリティスポーツ」の先駆けと位置づけています。

けれど、新しいプレリュードは昔の姿をそのまま再現したクルマではありません。

2モーターハイブリッドのe:HEV。新しいHonda S+ Shift。そして、低く流れるようなボディ。

かつて若者たちの憧れだったプレリュードは、過去へ戻るのではなく、2020年代のクーペとしてもう一度前へ進むことを選びました。

第6章は、その新しい前奏曲を見ていきます。

Prelude、再び

白い6代目ホンダ・プレリュードを斜め前から描いた2025年モデルの扉絵

プレリュードという名前には、「前奏曲」という意味があります。

1978年に始まったその名は、時代ごとにHondaが考えるスペシャリティカーの姿を映してきました。

そして2025年。

長い空白のあとに現れた6代目もまた、過去の続きをそのまま描いたわけではありません。Hondaはこのモデルを、これからの電動化時代に向けたスペシャリティスポーツの「先駆け・前奏曲」としています。

だからこれは、単なる復刻ではありません。

Preludeという物語が、もう一度始まった。

そんな一台です。

クーペは、まだ美しくなれる。

薄暮の近代的なホテル前に佇む白い6代目ホンダ・プレリュード

夕暮れのホテルの前。

静かな灯りの中に置くと、6代目プレリュードの形がよく分かります。

長いドア。低く流れるルーフ。そしてリアへ向かって滑らかに落ちていくライン。

速さを説明しなくてもいい。

馬力を語らなくてもいい。

そこに停まっているだけで「少し遠くへ行きたい」と思わせるものが、クーペにはあります。

Hondaがデザインの発想源にしたのは、空を滑るグライダーでした。低いノーズや滑らかな面構成にも、その考え方が表れています。

夜を走る、新しいPrelude

雨上がりの夜の都会を走る白い6代目ホンダ・プレリュード

濡れた路面に、街の灯りが流れていきます。

かつてプレリュードは「デートカー」と呼ばれた時代がありました。

けれど2025年に戻ってきたプレリュードが生きる夜は、あの頃とは違います。

スマートフォンがあり、ナビも音楽も連絡も一つにつながり、クルマそのものに求められる役割も変わりました。

それでも、夜の街を少しだけ特別なものにするクルマは、まだあっていい。

これは昔のデートカーの再現ではなく、今の大人が乗るスペシャリティカーです。

フロント ― 薄く、低く、横へ。

真正面から見た白い6代目ホンダ・プレリュードのフロントデザイン

真正面から見ると、6代目の顔は驚くほど薄く見えます。

細く横へ伸びるヘッドライト。

低いノーズ。

左右へ広がる黒いグラフィック。

大きなグリルで迫力を作るのではなく、低さと横方向への広がりで存在感を出しているのが特徴です。

Hondaのデザイン説明でも、低いノーズ、張り出したリアフェンダー、翼を思わせる灯体、そしてキャラクターラインに頼らない滑らかな面構成が重要な要素として挙げられています。

派手ではない。

けれど、低い。

この静かな低さが、新しいPreludeの顔です。

なぜ、いまPreludeなのか。

電動化時代に復活した理由を表現した白い6代目ホンダ・プレリュード

プレリュードは、過去を再現するために戻ってきたのではありません。

クルマの世界は大きく変わりました。

燃費、環境性能、電動化。そして日常での使いやすさ。

スポーティなクルマであっても、それらと無関係ではいられません。

そこでHondaが選んだ答えが、e:HEVを使いながら「操る喜び」を残すことでした。新型PRELUDEには2モーターハイブリッドを採用し、さらにHonda S+ Shiftによって電動化された駆動系にも有段変速のような感覚を与えています。

昔へ戻るのではなく、

新しい時代に、もう一度“走りたくなるクルマ”をつくる。

そのために、Preludeという名前が選ばれました。

サイド ― これが6代目のいちばんきれいなところ。

真横から見た白い6代目ホンダ・プレリュードのサイドシルエット

このクルマは、真横から見てほしい。

長いドア。

低いルーフ。

前から後ろまで、余計な線を増やさずに流れていくボディ。

そしてリアへ向かって静かに落ちていくルーフライン。

SUVが増え、背の高いクルマが街の中心になった時代だからこそ、この低く伸びたシルエットが新鮮に見えます。

大げさな翼も、大きなダクトもありません。

ただ形がきれい。

それだけで成立しているところが、6代目プレリュードの魅力です。

リア ― 一文字の光で締める。

横一文字のテールランプを持つ白い6代目ホンダ・プレリュードのリア

リアで最初に目に入るのは、横一文字に伸びる赤い光です。

その下には黒いガーニッシュ。

中央には「Honda」。

そして少し下に、流れるような書体の「Prelude」。

フロントが薄く横へ広がっていたように、リアもまた横方向を強く意識した造形になっています。

前から見ても、後ろから見ても、低く、広く。

6代目は一貫してその姿勢を崩しません。

灯火 ― 新しい顔のつくり方。

6代目ホンダ・プレリュードの細いLEDヘッドライトを大きく見せたディテール

近づいて見ると、ヘッドライトは単純な一本の線ではありません。

薄い灯体の内側に複数の要素を収めながら、ボディ側の黒い意匠へ自然につなげています。

昔のプレリュードを象徴したリトラクタブルヘッドライトとは、まったく違う方法です。

それでも「低い顔をつくる」という目的は変わっていません。

時代が変われば、道具も変わる。

けれど、低く見せたいというプレリュードらしさは残る。

そんな部分です。

足元 ― 黒と青のアクセント。

黒い19インチホイールと青いブレーキキャリパーを備えた6代目ホンダ・プレリュード

白いボディの下に置かれる、黒い19インチホイール。

その奥からのぞく青いブレーキキャリパー。

6代目の外観は基本的に静かなデザインですが、足元だけには少し強いスポーティさが与えられています。

白、黒、そして青。

色を増やしすぎず、アクセントだけを残す。

この組み合わせが、現代のPreludeらしい軽快さをつくっています。

コクピット ― 2020年代のPrelude。

右ハンドルの6代目ホンダ・プレリュードのデジタルメーターとセンターディスプレイを備えた運転席

運転席へ座ると、ここにはもう昔のプレリュードはいません。

水平基調のダッシュボード。

フルグラフィックのデジタルメーター。

中央のディスプレイ。

そして、センターコンソールには従来のシフトレバーではなくボタン式のセレクター。

Hondaは専用メーターやDシェイプステアリング、メタル製パドルなども採用し、電動化されたクルマの中に「走り」を感じさせる要素を残しています。

懐かしさではなく、2020年代の道具として作られたPreludeです。

シート ― 座る場所にも、名前がある。

白い外周と濃色中央部、青いステッチを持つ6代目ホンダ・プレリュードのフロントシート

このシートは、室内の中でも特に印象に残ります。

白系の外周。

濃色の中央部。

細く走る青いステッチ。

そしてヘッドレストには「Prelude」の文字。

単に黒一色のスポーツシートにしなかったところがおもしろい。

スポーティでありながら、少し華やか。

性能だけではなく、乗り込む瞬間の気分まで含めてスペシャリティカーをつくろうとしたことが伝わってきます。

座る場所そのものが、このクルマの個性になっています。

走りの中身 ― 電動化されたPrelude。

2.0Lエンジンとハイブリッド用高電圧配線が見える6代目ホンダ・プレリュードのエンジンルーム

ボンネットの中には、2.0L直噴アトキンソンサイクルエンジンと、Honda独自の2モーターハイブリッドシステムe:HEVが収まっています。駆動方式はFFです。

オレンジ色の高電圧ケーブルが見えるところにも、このクルマが昔のPreludeとは違う時代に生まれたことが表れています。

そして特徴的なのがHonda S+ Shift。

実際に8段変速機を積んでいるのではなく、仮想的な8段のギア段を設定し、アクセルやパドル操作、エンジン回転、音、メーター表示まで協調させることで、変速しているような感覚をつくります。

電動化することと、運転を楽しむこと。

その二つを両立させようとしたところに、6代目の意味があります。

2025–2026 日本 ― このクーペが戻ってきた時代。

高市首相、劇場版鬼滅の刃無限城編、大阪・関西万博で2025年から2026年の日本を表現したイラスト

6代目プレリュードが戻ってきた2025年から2026年。

日本では、後から振り返った時に「あの時代だった」と思い出せそうな出来事がいくつも重なりました。

2025年10月、高市早苗氏が第104代内閣総理大臣に指名され、日本で初めての女性総理が誕生しました。2026年2月には第105代総理として改めて指名され、2026年夏も政権を担っています。

映画では『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が社会的な大ヒットとなり、2026年4月までの国内興行収入は約402億円に達しました。

そして2025年には、夢洲を舞台に大阪・関西万博が開催されました。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。世界の国々や新しい技術が一つの場所へ集まった、大きな節目でした。

政治も、文化も、技術も動いた時代。

6代目Preludeは、そんな日本へ帰ってきました。

2025–2026 America ― ポップカルチャーと250年。

アメリカ建国250周年、サブリナ・カーペンター、マッシュアップフードで2025年から2026年のアメリカを表現したイラスト

2026年、アメリカは1776年の独立宣言から250周年を迎えました。

7月4日を中心に、America250の名のもと全米各地で記念イベントが行われ、国の歴史を振り返る大きな節目となっています。

その一方で、2020年代半ばのアメリカを語るなら、政治や歴史だけでは足りません。

音楽、SNS、ファッション、食。

それらが猛烈な速さで混ざり合っています。

その空気を象徴するポップスターの一人が、サブリナ・カーペンターです。「Espresso」や「Please Please Please」で大きく飛躍し、2025年にはグラミーのBest Pop Solo PerformanceとBest Pop Vocal Albumを受賞。2026年にも主要部門を含む複数部門へノミネートされました。

そして食文化にも、バーガーとタコスを掛け合わせるような、境界を気にしない遊び心があります。

歴史を祝う一方で、新しいものを次々と混ぜ、広げ、楽しむ。

そんな賑やかなアメリカの時間の中にも、6代目Preludeの時代があります。

Preludeは、終わらなかった。

夕暮れの海沿いの道に佇む白い6代目ホンダ・プレリュードを斜め後ろから見た情景

初代から始まったプレリュードの物語は、一度途切れました。

長い空白がありました。

だから、5代目までを振り返る記事なら、そこで「歴史」として締めることもできます。

けれど6代目は違います。

2025年に発売されたばかりのこのクルマは、まだ歴史の途中にいます。

この先、プレリュードという名前がどこへ向かうのか。

7代目があるのか。

それとも、この6代目が別の何かにつながっていくのか。

それはまだ誰にも分かりません。

だから最後に歴代車を並べる必要もありません。

静かな道と、その先へ向かう一台だけでいい。

Preludeは、終わらなかった。

まだ、この先がある。

主要諸元 ― Honda PRELUDE 6th Generation

項目内容
発売2025年9月
ボディタイプ2ドアクーペ
駆動方式FF
パワーシステムe:HEV
エンジン水冷直列4気筒 1,993cc
エンジン最高出力104kW[141PS]/6,000rpm
エンジン最大トルク182N・m[18.6kgf・m]/4,500rpm
モーター最高出力135kW[184PS]/5,000〜6,000rpm
モーター最大トルク315N・m[32.1kgf・m]/0〜2,000rpm
トランスミッション電気式無段変速機
全長4,520mm
全幅1,880mm
全高1,355mm
ホイールベース2,605mm
車両重量1,460kg
乗車定員4名
タイヤ235/40R19 96W
燃料無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量40L
WLTCモード燃費23.6km/L
最小回転半径5.7m

車体は全長4,520mm、全幅1,880mmに対して全高は1,355mm。数字から見ても、6代目プレリュードが低く、幅広く見せることを強く意識したクーペであることが分かります。19インチタイヤを標準装備しながら、e:HEVによるWLTCモード燃費は23.6km/L。電動化時代の実用性と、スペシャリティカーらしい姿を両立させています。

また、タイヤは235/40R19、燃料はレギュラーガソリンで、タンク容量は40Lです。

※数値はHonda公表の日本仕様PRELUDEを基準としています。仕様・装備は販売時期や特別仕様車などによって異なる場合があります。


造形浪漫帖の画像について

本記事に掲載している画像は、6代目ホンダ・プレリュードの魅力や、そのクルマが存在する時代・情景をイメージして制作した創作イラストを含みます。

実車資料を参考に、車体形状や特徴的なデザイン、内装、装備などをできるだけ大切にして制作していますが、実車を完全に再現した写真や設計資料ではありません。

光の映り込み、背景、人物、街並み、走行シーン、建物などには演出や創作を含みます。また、車両についても見る角度や表現上の都合により、細部の形状・色・寸法・装備・グレードなどが実車と異なる場合があります。

2025〜2026年の日本・アメリカを紹介するページについても、その時代を象徴する出来事や文化をもとに、当時の空気を感じてもらうためのイメージ表現として構成しています。

造形浪漫帖では、正確な資料性だけを目指すのではなく、

「そのクルマがどんな時代を走り、どんな景色の中にあったのか」

まで一緒に楽しんでもらえる図鑑を目指しています。

車両の正確な仕様・装備については、メーカー公式資料などもあわせてご確認ください。

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