日産 スカイライン HR31 GTSツインカム24V|直線美とRB20が彩る「7thスカイライン」

今回紹介するのは、1987年式の日産 スカイライン HR31「GTSツインカム24V」です。低く伸びやかなクーペボディ、丸形4灯テール、機能的なコックピット、そして直列6気筒エンジンのRB20を搭載した、スカイラインらしい上質さと走りの魅力を味わえる一台です。

直線基調の美しさをまとった7代目スカイライン
HR31型スカイラインの魅力は、まずその端正なプロポーションにあります。
角形ヘッドライトを組み込んだシャープなフロントマスク、低く長く見えるクーペシルエット、水平ラインを強調したボディデザイン。派手な曲線に頼らず、直線を重ねることで生まれた精悍さは、1980年代の日産車らしいものです。
フロントからサイド、リアまで統一感のある造形が貫かれ、純正ホイールカバーや控えめなスポイラーも車体に自然に溶け込んでいます。落ち着いた印象のなかに、スポーツモデルらしい緊張感がしっかりと感じられます。

低く長いクーペシルエット
真横から眺めると、HR31の美しいバランスがよく分かります。
長いボンネットと短めのリアデッキ、細いピラーによって構成されたキャビン、そして後方へ流れるルーフライン。全体を低く見せる水平基調の造形が、クーペらしい伸びやかさを生み出しています。
フロントマスクは華美な装飾を抑えた端正な仕上がりです。角形ライトと薄いグリル、シルバーのロア部分が組み合わされ、落ち着きとスポーティーさを両立しています。
派手さではなく、線の美しさで魅せる。
それがHR31スカイラインの大きな特徴です。

スカイラインを象徴する意匠のひとつが、丸形4灯テールです。
HR31では丸形ランプをスモーク調のリアパネル内に配置し、中央には大きく「SKYLINE」の文字が入ります。左右に広がる水平基調のデザインによって、車体をワイドに見せる効果も生まれています。
リアスポイラーや左側のデュアルマフラーも、GTSらしいスポーティーな雰囲気を演出。角張ったボディと丸形テールの組み合わせには、ひと目でスカイラインと分かる独特の存在感があります。
斜め後方から眺めた姿も美しく、低い車高と直線的なボディラインが、都会的で精悍な印象を残します。

室内は、運転に必要な機能を分かりやすくまとめた直線基調のデザインです。
右ハンドルの運転席正面には、大きなアナログメーターを配置。速度計と回転計を中心に、燃料計、水温計、電圧計、油圧計などが見やすく並びます。
インパネやセンターコンソールは角張った形状で統一され、1980年代らしい機械的な雰囲気が魅力です。黒を基調とした内装にチェック柄のシートが組み合わされ、落ち着きのなかにもスポーティーさが感じられます。
手元には5速マニュアルシフトを装備。ドライバーが自らギアを選び、直列6気筒エンジンの回転を楽しめる、運転好きにはうれしいコックピットです。

直列6気筒RB20とFRレイアウト
搭載されるのは、排気量1,998ccの直列6気筒DOHC24バルブエンジン「RB20」です。
カタログ値では最高出力155PS/6,000rpm、最大トルク19.2kg-m/4,400rpmを発生。電子制御燃料噴射を採用し、扱いやすさと高回転域まで滑らかに伸びるフィーリングを両立しています。
直列6気筒ならではの滑らかな回転感と整ったエンジンサウンドは、RBシリーズを語るうえで欠かせない魅力です。
駆動方式は、フロントにエンジンを搭載して後輪を駆動するFR。5速マニュアルとの組み合わせにより、ドライバーの操作に素直に応える走りを楽しめます。
直列6気筒、5速MT、FR。
この組み合わせこそ、当時のスカイラインらしさを濃く感じさせる部分でしょう。

1987年の日本を駆けたスカイライン
HR31が走っていた1987年の日本は、バブル景気へ向かう華やかな空気に包まれていました。
都市の夜には色鮮やかなネオンサインが並び、カセットテープやCDが音楽を彩り、ファッションも大きなシルエットや鮮やかな色使いが注目された時代です。
そんな都会の風景に、黒いHR31スカイラインはよく似合います。雨に濡れた道路へ丸形テールの光が映り込む姿には、当時ならではの華やかさと少し大人びた雰囲気があります。
スポーツカーの鋭さだけでなく、街中を上品に走るグランドツーリングカーとしての魅力も備えていたことが、スカイラインの人気を支えていました。

海の向こうに広がっていた自由な1980年代
1987年のアメリカでは、ネオンが輝くダイナーやアーケードゲーム、ラジカセ、カラフルなスポーツウェアなどが街を彩っていました。
デニムジャケットやスニーカー、キャップを取り入れたカジュアルなファッションも広がり、音楽を聴きながらクルマで遠くへ出かけるロードトリップ文化も健在でした。
日本の夜景に似合うHR31とは対照的に、アメリカには海岸線や広大な道路を自由に走る文化がありました。国や風景は異なっても、クルマが若者の憧れや自由の象徴だったことに変わりはありません。
まとめ|端正な造形と直列6気筒を楽しめるHR31
1987年式 日産 スカイライン HR31 GTSツインカム24Vは、直線基調の端正なデザインと、RB20直列6気筒エンジン、5速MT、FRレイアウトを組み合わせた一台です。
低く長いクーペシルエット、スモーク調リアパネルに収められた丸形4灯テール、機能的なコックピット。どの部分にも、7代目スカイラインならではの落ち着いた格好よさが宿っています。
豪快さだけを追い求めるのではなく、上質さと運転する楽しさを丁寧にまとめ上げたHR31。1980年代の空気とともに味わいたい、今なお色あせないスカイラインです。

